亜鉛の役割と効果とは おすすめの食材も合わせて解説
亜鉛は、人間の体に必要とされている16種類の必須ミネラルの一つで、体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。亜鉛には、新陳代謝やエネルギー代謝、免疫反応など、体内の様々な働きをサポートして正常に保つ効果があります。そのため、不足してしまうとさまざまな症状を引き起こしてしまいます。近年では、インスタント類などの偏食や過度なダイエットにより亜鉛不足になっている人が増えています。亜鉛の摂りすぎも健康に悪影響が出てしまいますが、普段の食事メニューを工夫して適度な亜鉛を摂取する必要があるでしょう。
ここでは、亜鉛にはどのような効果があるのか、亜鉛の1日の適正摂取量、亜鉛を含む食事メニューを解説いたします。
亜鉛の役割と効果
亜鉛とは、人間が健康を維持するために必要な栄養素であるといわれています。亜鉛は、アミノ酸からのたんぱく質の再合成、DNAの合成にも必要なので、胎児や乳児の発育や生命維持に非常に重要な役割を果たしています。その他にも、骨の成長や肝臓、腎臓、インスリンを作るすい臓、精子を作っている睾丸など、新しい細胞が作られる組織や器官では必須のミネラルです。また、体の細胞にダメージを与える活性酸素を除去する酵素の構成成分である他、味覚を感じる味蕾細胞や免疫反応にも関与しています。
亜鉛は、体内のさまざまな働きをサポートして正常に保つ効果があります。そのため、亜鉛が不足するとさまざま症状を引き起こしてしまいます。
以下では、それぞれの役割や効果について詳しく解説いたします。
味覚を正常に保つ
私たちは舌にある「味蕾(みらい)」という受容器官で味を感じとります。食べ物の中の物質が唾液に溶けて、舌の味蕾に入り込み、味蕾の中の味細胞が味覚を捉えて、味覚神経を通して大脳へ信号を送り、味を判断する大脳の中の味覚中枢が信号を受信し、感じられた味を判断するというルートをたどります。この伝達経路のどこかが故障することで味覚障害が起こるのです。
亜鉛不足による味覚障害にはいろいろあります。味が薄く感じてしまう味覚減退、味が全くわからなくなる味覚消失、本来の味とは違った、いやな味がする異味症、甘みが感じられない解離性味覚障害、何も食べていないのに口の中で苦い味がする自発性異常味覚など、さまざまな味覚障害が今、老若男女問わず増えています。
したがって、亜鉛は、味蕾の中の味細胞において、重要な働きを占めていることがわかります。味蕾の中にある味細胞は、体内の細胞の中でも新陳代謝が非常に活発な細胞で、約1ヶ月ごとに生まれ変わっているのです。また、体内の亜鉛が不足すると最初に影響を受けるのが味細胞です。材料となる亜鉛を常に必要としているため、亜鉛を十分に補うことで、味蕾の働きを保つことができます。
抗酸化作用
亜鉛は、ビタミンAとともに働くことで抗酸化作用や免疫力を発揮します。
活性酸素は人体の免疫機能や防御作用において重要な役割を果たしていますが、その一方で過剰になると老化や生活習慣病の原因の一つになります。
人体には自分の体がダメージを受けないように、活性酸素の産生を抑制したり、傷ついた細胞を修復する自己防御機能も備わっています。亜鉛もその一つで、ビタミンAをもつ抗酸化作用を促し、過酸化脂質(コレステロールや中性脂肪などの脂質が活性酸素によって酸化されたもの)による害を防ぐといった働きがあります。
活性酸素は、細胞の老化を早めるだけでなく、がん細胞の増加や動脈硬化を引き起こすなどさまざまな病気の原因になることが知られています。活性酸素が増える原因はいろいろありますが、最も活性酸素が増える理由は加齢であるといわれています。人の抗酸化作用は20歳代がピークであり、そこから徐々に低下していくのです。
したがって、亜鉛を十分に摂取し、ビタミンAの抗酸化作用の活性化を促し、過酸化脂質の害を防ぐことで、アンチエイジングや生活習慣病予防にも効果が期待できるでしょう。
免疫力向上
さまざまな免疫細胞が協力し合うことで、ウイルスや細菌に対する抵抗力を高めるなどして、人体の健康を保っています。
亜鉛はその免疫細胞を活性化させたり、異物に対抗する物質(抗体)の産生を調節したりする働きがあることから、免疫機能や免疫力アップに不可欠な栄養素とされています。よって、亜鉛が十分に摂取できていると、風邪や感染症の予防にもつながります。亜鉛は粘膜を保護するビタミンAを体の中にとどめる効果があり、喉の痛みや鼻水・鼻詰まりなどの症状を緩和してくれます。病気を引き起こす細菌を攻撃する白血球にも亜鉛が含まれているので、傷や病気の早期回復にも亜鉛は必要をされています。
成長・発育
亜鉛は、成長を促すためにとても大切な栄養素です。骨に限らず、脳や神経、味覚などの発達にも大きく関係してきます。亜鉛不足が原因で、赤ちゃんのオムツかぶれや子どもの低身長につながっている場合もあります。
タンパク質と合わせて亜鉛を摂取することで、全身の新陳代謝がより活性化されます。新陳代謝が活発な時期は亜鉛の必要量が増加するので、成長期の子どもには特に過不足なく亜鉛を摂取することが必要です。
髪や肌の健康維持
皮膚や髪はタンパク質からできています。亜鉛を摂取することで、タンパク質の代謝を促し、皮膚や髪のトラブルを改善することができます。例えば、医薬品で「亜鉛華軟膏」という塗り薬がありますが、亜鉛を皮膚に塗ることで傷の治癒を早めるという亜鉛の働きをうまく利用しています。亜鉛を積極的に摂ることで、皮膚や髪も新陳代謝が早いペースでおこなわれるため、美肌や美髪の効果にもつながるでしょう。
生殖機能の改善
男性は前立腺や性腺に高濃度の亜鉛が含まれていて、性ホルモンの合成や精子の生成などに深く関係しています。そのため、亜鉛が欠乏すると性的な機能が低下する可能性があります。精子の形成には亜鉛が必ず必要とされ、生殖機能の改善に役立ちます。
性欲低下や勃起障害の原因はいろいろありますが、原因の一つに男性ホルモン(テストステロン)の減少があります。このテストステロンの維持には亜鉛が有効と考えられています。
うつ状態の緩和
うつ状態は脳の機能が低下し、神経細胞の刺激伝達がスムーズにいかないためと考えられています。この神経伝達物質を作るのに必要なのが亜鉛です。亜鉛が体内に十分にあることで、精神の安定や脳の機能を高め、うつ状態の緩和に効果があると考えられています。
亜鉛が不足するとどうなる?
亜鉛が不足すると、タンパク質やDNAの合成が上手くおこなえなくなることにより、成長障害が引き起こされます。また、亜鉛は味を感じる味蕾細胞の産生に必須であるため、亜鉛が不足すると味を感じにくくなる味覚障害になる可能性があります。亜鉛不足による他の症状として、貧血、食欲不振、皮膚炎、生殖機能の低下、慢性下痢、脱毛、免疫力の低下、低アルブミン血症、神経感覚障害、認知機能の障害などがあげられます。
近年、若い世代の食生活の乱れによる亜鉛欠乏により、味覚障害を訴える人が増えてきています。植物性食品に多く含まれる食物繊維やフィチン酸(穀類、豆類に多い)などは、亜鉛の吸収を妨げます。加工食品に多く含まれる食品添加物が、亜鉛の吸収を阻害し、亜鉛欠乏になる場合もあります。特定の食品に偏った食事をしないように注意しましょう。
亜鉛を摂りすぎるとどうなる?
亜鉛を必要以上に摂取しすぎると健康に悪い影響があります。亜鉛自体の毒性は極めて低いため、食事からの適正量の摂取であれば基本的には副作用が起きることはありません。しかし、亜鉛サプリメントの不適切な利用や、日常的に高濃度の亜鉛を摂取するなど、亜鉛を過剰に摂取すると、銅の吸収阻害による銅欠乏、吐き気、嘔吐腎障害、免疫障害、上腹部痛、消化管過敏症、HDLコレステロールの低下、低銅血症、下痢などのおそれがあります。また、良性の前立腺肥大リスクを増加させる可能性があります。1日あたり100mgの亜鉛サプリメントの毎日の摂取、または10年間以上の摂取は、前立腺がんリスクを増加させる可能性があるとの報告もあります。
サプリメントで亜鉛を摂取するときは食事で不足している分を補う事にとどめ、過剰摂取とならないように注意しましょう。
亜鉛の1日の摂取量
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(厚生労働省)で推奨される1日の亜鉛摂取量は、15〜69歳の男性で10mg、70歳以上の男性で9mg、18〜69歳の女性で8mg(妊婦は+2mg、授乳婦は+3mg)、70歳以上の女性で7mgと制定されています。
通常の食事による亜鉛の過剰摂取の可能性は低いですが、亜鉛の過剰摂取は銅欠乏、貧血、胃の不調などさまざまな健康被害が生じることが知られているため、耐容上限量は18〜29歳の男性で40mg、30〜69歳の男性で45mg、70歳以上の男性で40mg、18歳以上の女性で35mgとされています。
スポーツを頻繁におこなっている人、あるいは日常的に発汗量が多い人ほど亜鉛が必要です。亜鉛は汗の中に多く含まれており、発汗量に比例して対外へ流出する量も増加します。運動強度が高くなるほど、亜鉛の体内消費量が増加する傾向にあり、亜鉛を不足してしまうと怪我などにもつながるため、適量摂取することを心がける必要があります。
些細な不調でも、亜鉛を意識して摂取してみることで改善できるかもしれません。適正量を守り、体のメンテナンスに亜鉛を役立てると良いでしょう。
亜鉛を多く含む食べ物
亜鉛は全ての細胞に含まれるので、肉類・魚介類・種実類・穀類など多くの食品に含まれています。
特に多いものとしては牡蠣、あわび、たらばがに、するめ、豚レバー、牛肉、卵、チーズ、高野豆腐、納豆、えんどう豆、切干大根、アーモンド、落花生などです。ここでは、ぶなしめじとたけのこを使ったレシピを紹介いたします。
ぶなしめじを使った料理
ぶなじめじは、食物繊維や葉酸、ビタミン類、カルシウムや亜鉛などのミネラルなどが満載です。
<ぶなしめじご飯>
材料:ぶなしめじ・胚芽米・昆布だし・酒・塩
作り方:
米を洗い、ザルにあげておき、ぶなしめじの石づきを取り、小房に分けます。
炊飯釜に米、昆布だし、塩、酒、ぶなしめじを入れて炊きます。
炊き上がったら全体を混ぜ、茶碗によそい完成です。
精白米に比べると胚芽米の方が亜鉛が多く含まれています。
作り方も簡単で、簡単に亜鉛を摂取することができます。
たけのこを使った料理
たけのこは、ビタミンB2や亜鉛など美肌に効く栄養素を含み、低カロリーでダイエットにも効果的です。
<たけのことほうれん草のパスタ>
たけのこのビタミンCは、ほうれん草に含まれている鉄の吸収を助けるので貧血の予防にもなります。
材料:たけのこ・ほうれん草・パスタ・オリーブオイル・にんにく
作り方:
香ばしさが引き立つまでオリーブオイルでにんにくを炒めます。
茹でたたけのことほうれん草をよく和えてペペロンチーノ風に仕上げます。
<たけのこと豚肉の炒め物>
動物性たんぱく質の豚肉を使うことで、たけのこに含まれる亜鉛の吸収率をアップさせることができます。豚肉に含まれているビタミンB1は、疲労回復や夏バテの予防効果もあります。
材料:たけのこ・豚肉・しょうゆ・酒
作り方:豚肉をしょうゆと酒で下味をつけ、薄切りしたたけのこと一緒に炒めます。
まとめ
亜鉛は人体には欠かせない必須ミネラルの一つで、体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。亜鉛は、新陳代謝やエネルギー代謝、免疫反応など、体内のさまざまな働きをサポートして正常に保つ効果があり、亜鉛が不足するとさまざま症状を引き起こしてしまいます。特に育ち盛りの子どもにとって、亜鉛不足は成長・発育障害につながる場合があるので、注意しなければなりません。近年、若い世代の食生活の乱れによる亜鉛欠乏で、味覚障害を訴える人も増えてきています。亜鉛は、肉類・魚介類・種実類・穀類など多くの食品に含まれているため、推奨される1日の亜鉛摂取量を守り、体のメンテナンスに役立てるとよいでしょう。
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