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妊娠中に必要な栄養素と消費カロリーの解説

シェアダイン編集部
2021.09.10

妊娠すると、必要なエネルギーや栄養素が増加します。妊娠期によって、必要になるエネルギー量も変わってきます。妊娠中は、痩せすぎても太りすぎてもいけません。適切なエネルギー量を知ることが大切です。エネルギーをとるだけでなく、胎児の成長に必要な栄養素も意識してとり入れなければいけません。

この記事では、各妊娠期における必要なエネルギーの量と、妊娠中に特に意識してとりたい大切な栄養素を、解説いたします。適切なエネルギー量と必要な栄養素を知ることによって、胎児の正常で健康的な成長に役立てることができるようになります。

妊娠期に必要なエネルギー量とは?

妊娠期に必要なエネルギー量は、時期によって異なります。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、妊娠初期、妊娠中期、妊娠後期に分けて、非妊娠時の必要エネルギー量に、以下の付加量を推奨しています。

  • 妊娠初期: +50kcal
  • 妊娠中期: +250kcal
  • 妊娠後期: +450kcal

非妊娠時の必要エネルギーは、以下になります。

  • 活動レベルⅠ(低い) 
    18〜29歳:1650kcal
    30〜49歳:1750kcal
  • 活動レベルⅡ(ふつう)
    18〜29歳:1950kcal
    30〜49歳:2000kcal
  • 活動レベルⅢ(高い) 
    18〜29歳:2200kcal 
    30〜49歳:2300kcal

例として、30~49歳の方で身体活動レベルがⅡの場合、妊娠時に必要なエネルギーは以下の量です。

  •  妊娠初期:2050kcal
  •  妊娠中期:2250kcal
  •  妊娠後期:2450kcal

自分の活動レベルによって必要エネルギー量を算出し、エネルギー不足や過剰にならないようにしましょう。

参考:日本人の食事摂取基準(2020 年版) - 厚生労働省

<h2>妊娠中に必要な栄養素とは</h2>

妊娠時には、バランスのとれた様々な栄養素が必要です。特に重要な栄養素は、タンパク質、葉酸、鉄、食物繊維になります。

タンパク質

タンパク質は、胎児のからだをつくる主成分になります。成人女性のたんぱく質摂取推奨量は50g/日です。妊娠中は摂取推奨量に、中期で+5g/日、後期で+25g/日の付加量が推奨されています。

タンパク質を多く含む食品は、牛ヒレ肉や豚ロースなどの赤身肉、鶏ささみや鶏ムネ肉、鮭、ヒラメ、ブリ、マサバなどの魚、卵、大豆製品です。サラダチキン、ゆで卵、大豆製品である納豆、豆腐などは、コンビニでも手軽に購入することができます。缶詰やレトルトパウチ食品などからも、手軽に摂取できる栄養素です。筋肉や臓器などをつくる非常に重要な栄養素であるため、推奨量の摂取を心がけるようにしましょう。

<h3>葉酸</h3>

葉酸は、胎児の細胞分裂やDNA(遺伝子を保存)やRNA(遺伝子を運ぶ)の合成に必要な栄養素になります。また、胎児の二分脊椎などの神経管閉鎖障害発症リスク軽減のためにも必要な栄養素です。神経管閉鎖障害は、神経管が形成される妊娠初期におこりやすい先天異常のひとつです。神経管閉鎖障害を予防するためにも、妊娠1か月前から妊娠3か月までは、葉酸を積極的に摂取しましょう。

成人女性の葉酸摂取推奨量は240μg/日です。妊娠中は、初期で+400μg/日、中・後期で+240μg/日の付加量が推奨されています。葉酸は、ほうれん草などの緑黄色野菜、アボカド、焼きのり、いちご、枝豆などに多く含まれています。

100g当たりに含まれている葉酸の量

  • ほうれん草(ゆで)
    110μg
  • アボカド
    83μg
  • 焼きのり
    1900μg(※全形のり1枚は約3g)
  • いちご
    90μg
  • 枝豆(ゆで)
    260μg

 葉酸は水溶性のビタミンで熱に弱いので、生で食べる、蒸すなどの調理法がおすすめです。毎日、食事からのみ推奨量を摂取するのは難しいので、付加量の分はサプリメントを使用して摂取するようにしましょう。ただし葉酸の摂取上限量は、20代で900μg/日、30代で1000μg/日ですので、過剰摂取には注意が必要です。

鉄は、赤血球をつくるために最も重要な栄養素です。特に妊娠中期から後期は、胎児のからだが大きくなり、からだや臍帯(へその緒)や胎盤に貯蔵する鉄の量や、循環する血液量が増加します。血液量が増加すると赤血球も増加しますので、必要な鉄の量も増えます。また、授乳中も必要な栄養素です。日本人女性は鉄分摂取量が不足しがちなので、積極的に鉄をとりましょう。

鉄分の摂取推奨量は、非妊娠時の月経なしの場合20代で6.0mg/日、30代で6.5mg/日です。妊娠中は、初期で+15.0mg/日、中・後期で+15.0mg/日の付加量が推奨されています。

鉄分は、赤身肉、牡蠣、大豆製品、ほうれん草などに多く含まれています。

100g当たりに含まれている鉄の量

  • 牛ヒレ肉(生)
    2.5mg
  • 牡蠣(生)
    2.1mg
  • 木綿豆腐
    1.5mg
  • ほうれん草(ゆで)
    0.9mg

鉄分を効率良く吸収するために、吸収を助けてくれるビタミンCを多く含む野菜などを一緒に食べることをおすすめします。また、鉄なべなど鉄製の調理器具で料理すると、鉄分が増えるのでおすすめです。

 

食物繊維

食物繊維は、便秘予防や改善に役立つ栄養素です。妊娠中は、女性ホルモンの関係胃腸が弱くなったり、お腹が大きくなると血液循環が悪くなったりするので、便秘になりやすくなります。

食物繊維の摂取推奨量は、成人女性で18g/日になります。妊娠中の摂取推奨量のプラスはありません。しかし近年の日本人は、食物繊維摂取量が不足しています。積極的に食物繊維をとることで、妊娠中の便秘予防と改善に役立てましょう。

 食物繊維を多く含む食材は、穀類、豆類、芋類、野菜、果物、きのこ類、海藻類になります。食物繊維は、水溶性と不溶性の両方をとることが必要です。それぞれのカテゴリーからまんべんなくとるようにすると、水溶性と不溶性の食物繊維の摂取バランスがよくなります。

食物繊維は消化されにくく、胃腸に負担をかけることがあります。妊娠初期はやわらかく煮るなど、消化がよい調理法で摂取するようにしましょう。

妊娠中に控えたほうがよいものとは

妊娠中はとるべき栄養素とは逆に、控えたほうがよい食品があります。生もの、水銀を多く含む魚、ビタミンAを多く含む食材、海藻類、加工食品、アルコールやカフェイン入り飲料は、控えたほうがよいものになります。

生ものは、食中毒やリステリア菌が含まれている可能性があります。妊娠中は、感染リスクが高いので控えてください。水銀やビタミンAは、過剰摂取になると胎児の成長に異常を引き起こす可能性があります。海藻類には、有毒な要素がふくまれますので、摂取量に注意が必要です。加工食品は塩分を多く含むものが多いので、塩分の過剰摂取に注意しましょう。アルコールやカフェイン入り飲料は、胎児の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

まとめ

 妊娠中は、必要エネルギー量が増加します。非妊娠時に比べて、妊娠初期で+50kcal、中期で+250kcal、後期で+450kcalが必要になります。30~49歳の方で身体活動レベルがⅡ(ふつう)の場合、妊娠初期で2050kcal、中期で2250kcal、後期で2450kcalが必要です。

 妊娠中は必要エネルギー増加に加えて、タンパク質、葉酸、鉄、食物繊維の栄養素をとるようにしましょう。タンパク質は、胎児のからだをつくるのに必要になります。葉酸は、遺伝子情報の合成や、胎児の神経管閉鎖障害発症リスク軽減に必要です。特に神経管が形成される妊娠初期に必要になります。鉄や食物繊維は、日本人女性に不足しがちな栄養素ですので、意識してとる必要があります。鉄は、胎児のからだが大きくなる妊娠後期に、特に多くの量が必要となります。食物繊維は、便秘になりやすい妊娠中の便秘予防、改善に役に立ちます。

 妊娠中に控えたほうがよい食品もあります。控えたほうがよいものは、生もの、水銀を多く含む魚、ビタミンAを多く含む食材、海藻類、加工食品、アルコールやカフェイン入り飲料です。

 妊娠中に必要なエネルギー量、栄養素、反対に控えるべき食品を理解することで、健康な妊娠生活を送ってください。

参照:

妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針2021 | 母子栄養協会

日本人の食事摂取基準(2020 年版) - 厚生労働省

妊娠中・産後のママのための食事BOOK - 厚生労働省

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この記事を書いたライター

シェアダイン編集部

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