離乳食での野菜の解説 それぞれの注意点とおすすめとは
どんな食材でもいえることですが、赤ちゃんの離乳食で使用する野菜は新鮮なものを使います。また、初めてあげる野菜はアレルギー症状が出るものもあるので最初は少しだけ与えるようにしましょう。赤ちゃんの発達時期によって食べられる部分や調理方法が異なります。離乳初期では固いものはまだ食べることができないので、やわらかく茹でて裏ごしをして、ペースト状にしてあげるのが基本の調理法になります。離乳中期では少し粗くすりつぶしたもの、離乳後期ごろは赤ちゃんによっては歯が生えてくるので手づかみ食べできるぐらいの大きさを目安にしてあげるといいでしょう。赤ちゃんの消化機能は大人に比べてまだまだ未熟なので、離乳食期の間は、種や皮があるものは取り除いてあげるなどの調理をする必要があります。
ここではほうれん草、きゅうり、トマト、じゃがいもを例に調理法と注意点を解説していきます。
離乳食で利用できる野菜の解説;ほうれん草などの葉物
葉物 :離乳初期の調理法と注意点
離乳初期から使える葉物野菜といえば、ほうれん草ですが、アクが強いので、茹でた後しっかり水で洗ってアク抜きをします。小松菜、チンゲン菜、キャベツ、白菜なども、くせがなく5~6カ月ごろから食べられる食材です。いずれも、やわらかい葉の部分だけを使用します。茎や葉脈の部分は取り除きましょう。離乳初期は、裏ごしして、ペースト状に仕上げます。野菜スープなどの水分を少し加えるとペースト状にまとめやすくなります。繊維が気になるときは、ブレンダーを使うとより細かくすることができます。
ほうれん草の調理法は、鍋にたっぷり水を入れて沸かします。塩を少し入れることで変色を抑え、栄養分が水に流れ出るのを防ぐことができます。綺麗に洗っておいたほうれん草を沸騰したお湯に浸けて、40秒ぐらい茹で、ほうれん草はアクが強いので、茹でた後は水にさらしアク抜きをしましょう。電子レンジで調理する場合は、ほうれん草を洗った後、水分を残したまま耐熱皿に入れてラップをふんわりかけて加熱します。加熱後は、すぐに水にさらしてアク抜きをしましょう。離乳初期は茹でたほうれん草を裏ごしして、ペースト状にして完成です。
市販の冷凍ほうれん草やブロッコリーは、少量だけ使いたいときに便利です。使う分だけ、固まりごとすり下ろします。また、どんな食材にもいえることですが、赤ちゃんの消化機能はまだまだ未熟なので、新鮮なものを選びます。しなしなになった状態の葉物野菜を赤ちゃんに使用するのは控えましょう。
ほうれん草でアレルギーになることはあまりありませんが、まれにアレルギー症状が出ることがあるので、初めて食べる時には注意が必要です。症状としては、皮膚に現れることが多く、口周りや顔、おしりなどがかゆくなったり、下痢、嘔吐などの症状も起こる可能性があります。初めて食べる時には少量を食べさせて様子をみてください。
葉物 :離乳中期の調理法と注意点
ほうれん草の調理法は、離乳初期と同じです。離乳中期は、やわらかく茹でて、すりつぶさずに2〜3mm程度に細かく刻みます。そのまま食べさせると口あたりが悪いので、ホワイトソースやヨーグルト、マッシュした素材などであえたり、水溶きかたくり粉でとろみをつけたり、おかゆや汁物に入れたりすると食べやすいのでおすすめです。赤ちゃんが青菜の味が苦手という場合は、かぼちゃやさつまいも、バナナなど、甘みのあるものとあえるといいでしょう。
葉物野菜を離乳食で使うたびに茹でるのは大変なので、まとめて茹でて刻み、冷凍しておくと便利です。フリーザーバッグに入れて薄くのばし、凍ってからパキパキと折って必要量を取り出すようにするか、1回分ずつ小さな団子状に丸めてトレーに乗せて冷凍し、凍ったら密閉容器で保存するなどの方法もあります。
葉物 :離乳後期の調理法と注意点
離乳後期も離乳初期と調理法は同じです。離乳後期ごろになると、白菜やキャベツなどは、葉以外の部分もやわらかく茹でれば歯ぐきでつぶして食べられるようになります。やわらかく茹でて、1cm程度に刻みます。また、この時期なると、やわらかく茹でて小分けしたブロッコリーやアスパラの穂先などを、手づかみで食べられるようになるので、茹でて刻んだ葉物野菜をハンバーグや肉団子などに混ぜたり、ポテトやゆで卵とあえてサンドウィッチの具にしたり、パンケーキやお好み焼き、おにぎりなどに混ぜ込めば、手づかみメニューにも取り入れられます。
葉物 :離乳完了期の調理法と注意点
離乳完了期になると奥歯は生えていなくても歯ぐきでもぐもぐできるようになります。調理法は、離乳初期と同じです。やわらかく茹でて、赤ちゃんの発達に合わせた食べやすい大きさに切ってあげましょう。離乳完了期は、茹でたほうれん草を炒めるとほうれん草のバター炒めなど炒め物メニューもできます。
離乳食で利用できる野菜の解説:きゅうり、トマトなど果菜類
果菜類 :離乳初期の調理法と注意点
離乳初期では、きゅうりは加熱してからあげます。形状は、とろとろのポタージュ状から慣れたらヨーグルト状が目安です。きゅうりの皮は固いので、ピーラーで厚めに皮をむいて、茹でます。離乳初期は、茹でたものをすりおろしてペースト状にしたら完成です。きゅうりから水分がでるので、お湯などで伸ばす必要はありません。また、縦に半分に切ったきゅうりの中身をスプーンですくって取り出したものを加熱して与えるのでも可能です。
トマトは、スプーンなどでヘタをくり抜き、鍋に水を張って、トマトの皮が剥がれてくるまで茹でます。トマトの皮や種は舌触りが悪く、飲み込みにくいので、赤ちゃんの消化機能では負担がかかります。離乳食期の間は、湯むきをし、種や皮をしっかり取り除いてあげましょう。離乳初期では、湯むきしたトマトを裏ごししてペースト状にします。トマトも水分が含まれているのでお湯で伸ばす必要はありません。
トマトはアレルギー症状が出る場合があるので、初めてあげる時は、痒み、発疹などのアレルギー反応が出ないかどうかを気を付けましょう。初めてあげる時は、小さじ1くらいからゆっくりと与えます。食べた後、口の周りが赤くなる、痒そう、体に発疹が出る、などいつもと違う症状が出たら、病院に連絡するか、受診する必要があります。
果菜類 :離乳中期の調理法と注意点
離乳中期では、固いものがまだ食べられないため、きゅうりの皮は、取り除いて調理します。きゅうりを2~3mm角に細かく刻み、加熱します。食べにくそうであれば、さらにフォークの背などで細かく潰してあげると食べやすくなります。
離乳中期のトマトの調理法は、離乳初期と同じです。離乳中期も赤ちゃんの消化機能はまだ未熟なので、必ず湯むきをし、皮と種は取り除いてあげます。トマトはもともと柔らかいので、細く刻んだものが食べられるようになります。
果菜類 :離乳後期の調理法と注意点
離乳後期から、生のきゅうりが食べられるようになります。まだ歯が生えそろっていないため、歯ぐきで潰して食べられるようにしてあげましょう。きゅうりの皮がついていると歯ぐきで潰せないので、皮を取り除き、5~8mm角ほどの大きさに刻みます。手づかみ食べが始まるので、そのままきゅうりを食べるときは、スティック状にしてあげるのもおすすめです。
トマトは離乳後期も離乳初期と同じ方法で調理します。離乳後期も赤ちゃんの消化機能はまだ未熟なため、湯むきをし、皮と種は必ず取り除き、5mm角ほどに大きさに刻みます。
果菜類 :離乳完了期の調理法と注意点
離乳完了期になると、きゅうりは皮付きのまま食べられるようになります。きゅうりは手づかみ食べしやすい食材なので、おすすめです。
トマトの調理法は、離乳初期と同じです。離乳完了期ごろも消化機能はまだまだ未熟なので、トマトは湯むきをし、皮と種は取り除く必要があります。大きさは1cm角ほどにしてあげましょう。湯むきは1歳半ごろまで行うといいでしょう。幼児期なっても、まだ咀嚼力が弱くトマトの薄皮はなかなか噛みちぎることができません。トマトをそのまま食べられるようになるのは、3歳ごろが目安です。
離乳食で利用できる野菜の解説:じゃがいもなどの根菜類
根菜類:離乳初期の調理法と注意点
じゃがいもはくせがなく、離乳初期から食べられ、中期後期完了期、それ以降の子供の食事に大活躍する食材です。裏ごししなくてもつぶしてお湯やだし汁などでのばすだけでペースト状になるので離乳初期には使いやすい食材です。
じゃがいもの下ごしらえの方法は、皮をむき、芽を取り除いて、お好みの大きさに切ったら水にさらしてアクを抜きます。注意しなければならない点は、じゃがいもは天然毒素であるソラニンやチャコニン、アルカロイドが作られてしまいます。調理の際には皮と芽をしっかりと取り除くようにしましょう。離乳食で使用するじゃがいもは、芽が出ていない新鮮なものを選びましょう。
離乳初期は、やわらかく加熱してすりつぶし、湯冷ましやだし汁など水分を加えてとろとろにします。じゃがいもは喉が詰まりやすいので、多めの水分で伸ばします。最初はゆるめのペーストからスタートさせましょう。ブレンダーを使うと、簡単にペーストを作ることができます。他にも、すりおろしてから加熱する方法もあります。また、洗ったじゃがいもを皮のままラップに包み、電子レンジで3~4分加熱するとホクホクになり甘みも増すのでおすすめです。じゃがいもなどの根菜類は、ほどよいとろみが付くので、パサパサした食材をあえるのもよいでしょう。
調理したじゃがいもはフリージング容器に入れて冷凍保存することもできます。ただし、じゃがいもは、茹でたり焼いたりした状態では冷凍に向いていません。マッシュやペーストにしたものであれば、美味しく冷凍保存ができます。冷凍したじゃがいもは、1ヶ月以内に使い切りましょう。
根菜類:離乳中期の調理法と注意点
じゃがいもの下ごしらえは離乳初期と同じです。じゃがいもの芽には、ソラニンという有毒物質が含まれているので、しっかり芽を取り除きましょう。離乳中期は、下ごしらえしたじゃがいもをやわらかく加熱して粗くすりつぶし、だし汁などの水分で少し伸ばします。食べにくい場合は、とろみをつけてあげるといいでしょう。離乳中期では、ポテトサラダや肉じゃが風煮物などがおすすめです。
根菜類:離乳後期の調理法と注意点
じゃがいもの下ごしらえは離乳初期と同じです。じゃがいもの芽には、ソラニンという有毒物質が含まれているので、しっかりと芽を取り除きます。離乳後期は、下ごしらえしたじゃがいもを指でつぶせるくらいにやわらかく加熱して、5〜7mm角程度にします。後期はまだ自分で調節が難しいので、大きめのみじん切りがおすすめです。歯ぐきが固くなる後期からは手づかみで食べられる食事も始められるので、茹でて柔らかくしたじゃがいもと片栗粉を混ぜて一口サイズに成形し焼き上げ、おやきにしてあげるといいでしょう。
根菜類:離乳完了期の調理法と注意点
じゃがいもの下ごしらえは離乳初期と同じです。じゃがいもの芽には、ソラニンという有毒物質が含まれているので、しっかりと芽を取り除きます。離乳完了期になると、前歯で噛み切って調節することもできるようになります。下ごしらえしたじゃがいもをスプーンで切れるくらいにやわらかく加熱して、1cm角にします。手づかみなら4~5cmくらいが食べやすいでしょう。
まとめ この記事のおさらい
離乳食で使用する野菜は、赤ちゃんの発達時期によって食べられる部分や調理方法が異なります。離乳初期では固いものはまだ食べることができないので、やわらかく茹でて裏ごしをして、ペースト状にしてあげるのが基本の調理法です。離乳中期では少し粗くすりつぶしたもの、離乳後期ごろは赤ちゃんによっては歯が生えてくるので手づかみ食べできるぐらいの大きさを目安にしてあげるといいでしょう。赤ちゃんの消化機能は大人に比べてまだまだ未熟なので、離乳食期の間は、種や皮があるものは取り除いてあげるなどの調理をする必要があります。どんな食材でもいえることですが、赤ちゃんの離乳食で使用する野菜は新鮮なものを使いましょう。また、初めてあげる野菜はアレルギー症状が出るものもあるので少しから与えましょう。
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