炭水化物と糖質の違いを解説
炭水化物抜きダイエットや糖質オフ食品が話題になり、炭水化物や糖質という言葉を耳にする機会が増えた人も多いでしょう。
一方で、炭水化物と糖質の違いが分からない方もいることと思います。
この記事では、炭水化物とは何を指すのか、また炭水化物と糖質の違いをまとめました。
合わせて、一日にとるべき糖質の量を、計算式を用いて解説いたします。
炭水化物とは
炭水化物は脂質たんぱく質とともに三大栄養素の一つで、おもに脳や体を動かすエネルギーとして利用されます。ごはんやパン、麺類などの主食に多く含まれるほか、果物や砂糖、芋類も炭水化物が多い食べ物です。
炭水化物が不足すると、頭痛やふらつき、思考力が下がりイライラするなど、心身ともに不調を起こすと言われています。
糖質とは
炭水化物と糖質は混同されがちですが、厳密にいうと同じものではありません。
糖質とは炭水化物に含まれている成分で、炭水化物が体内で分解されると、糖質と食物繊維になります。
糖質は吸収されやすく、素早くエネルギーに変換されるため、栄養補給に最適です。
持久力が必要なスポーツでは、途中で栄養が枯渇しないよう、こまめに糖質を摂ることが必要になります。マラソン選手が走りながら羊羹などを食べるのも、エネルギーを素早く補給するためです。
糖質が体に必要な栄養であるにもかかわらず、なぜ糖質が問題視されるかというと、糖質は摂りすぎると健康に悪影響を及ぼすからです。
血糖値が高いと体に良くないことは知られていますが、詳しくは分からない方もいるのではないでしょうか。
血糖値と糖質には深い関係があります。
血糖値とは、血液中のグルコース(糖質)の濃度です。糖質を摂りすぎると血糖値が急激に上がり、インスリンというホルモンが大量に分泌されます。
インスリンには血中の糖分を脂肪に変えて体にため込む働きがあり、大量に分泌されると
体に脂肪がたまりやすくなるのです。
また、血液中の糖分は血管を固くするともいわれており、糖質の摂りすぎは太るだけでなく、病気のリスクも高めてしまいます。
血糖値を急激に上げないため、炭水化物を摂りすぎないことも大切ですが、もう一点目安になる指標としてGI値があります。
GI値とは、食後の血糖値の上昇度を示す指標のことです。
食品ごとにGI値は設けられており、GI値が高い食品は血糖値が急激に上がりやすくなります。逆に、GI値が低い食品は血糖値の上昇がおだやかです。
例えば、サツマイモは糖質が多い食品ですが、GI値は低いため、血糖値が急激に上がりづらい食品と言えるでしょう。
一日にとるべき糖質の量とは
一日に摂るべき糖質の量は、炭水化物、たんぱく質、脂質の比率(PFCバランス)と摂取カロリーで簡単に計算できます。
PFCバランスは、個人差はありますが、炭水化物(糖質)55~60%、たんぱく質15~20%、脂質20~25%が基準と言われています。
1gあたりのカロリーは、糖質とたんぱく質は4kcal、脂質のみ9kcalです。
摂取カロリーは年齢や性別、体重、運動量などで計算します。
以下は一日に必要なカロリーを計算できるサイトです。
参考:https.://keisan.casio.jp/exec/system/1183427246
摂取カロリーにPFCバランスの糖質の数値を掛けると、必要な糖質量が分かります。
例一日の摂取カロリーが1800kcalの人の場合
糖質60%で計算すると
1800×0.6=1080kcal
糖質のエネルギーは1gで4kcal
1080÷4=270g
1日にとるべき糖質の量は270gとなります。
まとめ
炭水化物は三大栄養素のひとつで、脳や体を動かすエネルギー源として利用されます。
主食として食べられるものや、砂糖や果実類など甘いものなどに豊富に含まれており、たんぱく質や脂質と比べて吸収が早く、素早くエネルギーになるのが特徴です。
炭水化物と糖質は同じものと思われがちですが、炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたもので、厳密には違うものといえます。
糖質制限ダイエットが流行し、糖質=太ると考える人もいますが、食べ方を間違えなければ問題は無いとされています。
体が脂肪をためこむのは、血糖値が急激に上がった時です。
糖質を摂りすぎると血糖値が急激に上がり、上がった血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
このインスリンに、血中の糖分を脂肪に変える働きがあるのです。
血糖値を急激に上げない食べ方として、糖質を摂りすぎないことの他に、低GI値の食品を選ぶというものがあります。
GI値とは、食後の血糖値の上昇度をあらわす指標のことで、値が低いほど血糖値の上昇をおだやかにします。
低GIの食品は、サツマイモなど食物繊維の多い食品に多いと言われています。
お米を玄米に、食パンを全粒粉パンに変えるなど、工夫をすることで血糖値の急激な上昇は抑えられると言われています。
炭水化物や糖質は良くないものだと考える人もいますが、前述のとおり、糖質は体に必要な栄養素です。
極端な糖質制限や糖質抜きダイエットをすると、心身にさまざまな悪影響を与えます。
糖質を悪者扱いせず、適量を摂取することが大事だといえるでしょう。
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