
授乳中の食事は何に気をつければいい?おすすめのメニューも合わせて解説
妊娠中は摂らなければいけない栄養素や、反対に摂ってはいけない成分などにとても気を付けて生活していた方が多いのではないでしょうか。では出産すれば食生活は以前のように戻しても大丈夫かというと、やはり気を付けなければいけないこともいくつか出てきます。なぜなら出産後は生まれた赤ちゃんに授乳する必要があるからです。育児書や保健士さんの指導などで、母乳の質や分泌をよくするためには、産後も食事の内容には気を配らなければいけないということを言われた方もおられるでしょう。質の良い母乳は健康な体から産制されます。今回は授乳中の母親の食事について、どんなことに注意すれば良いかを解説いたします。
授乳中の食事で気を付けることとは
基本的に母親が口にしたものは良くも悪くも母乳に反映されると考えましょう。授乳期に必要な1日の総カロリーは約2500kcalともいわれているため、食べてもすぐにお腹が空いてしまいます。そのためたくさん食べることが必要となります。しかし好きなものを好きなだけ食べてしまうと栄養が偏り、良質な母乳が産制できなくなってしまうことも。母乳の主成分は母親の血液です。つまり授乳中はたくさんの血液が母乳を産制するのに使われるため、血液の材料となる必要栄養素を積極的に摂る必要があるのです。良質な母乳を作るには、適切な栄養素をバランスよく摂ることが重要になります。1日3食しっかり食べ、バランスの良い食事を心がけてください。
授乳中に取りたい栄養素 鉄分と鉄分を多く含む食品解説
鉄分は血液づくりには欠かせない栄養素で、体の隅々まで酸素を運ぶために働いています。授乳期は母親の血液中の鉄分は優先して母乳に使われるため、母親自身が鉄分不足になってしまうことも。厚生労働省が策定した日本人の食事摂取基準でも、授乳により失われる鉄分を補うため、授乳期の母親はより多くの鉄分を摂取することが推奨されています。母親が貧血のまま授乳を続けていると、赤ちゃんも鉄不足になり、貧血になりやすくなってしまうのです。母親の貧血を予防し、母乳中の鉄の濃度を高く保つために必要な量は、1日あたり9㎎(月経再開前)~13㎎(再開後)となり、非妊娠時と比べて+2.5㎎と言われています。
鉄分が多く含まれるのは、赤身の肉や魚、レバー、アサリやシジミ、たまごなど、動物性の食品です。また、枝豆や納豆、小松菜などの植物性食品にも含まれています。
また、鉄分には肉や魚などに含まれるヘム鉄と、野菜や大豆、海藻などに含まれる非ヘム鉄の2種類があります。動物性のヘム鉄の方が体への吸収率がよいため、植物性の非ヘム鉄ばかり摂らず、バランスよく色々な食品から鉄分を摂るようにしましょう。また、鉄分を補うサプリメントなども販売されていますので、食べ物とうまく組み合わせて鉄分不足を解消することが大切です。
授乳中に取りたい栄養素 葉酸と葉酸を多く含む食品解説
妊活中や妊娠初期に摂取することが大切だと言われている葉酸ですが、実は授乳期にも大切な栄養素なのです。葉酸は人間の体の細胞分裂や増殖をサポートするため、出産で大きなダメージを受けた子宮の回復の手助けをしてくれます。また、産後は疲れていても昼夜関係なく赤ちゃんのお世話をしなくてはなりません。普段以上にパワーが必要なこのころの育児には、体力を維持するための多くのエネルギーが必要です。葉酸は体内で赤血球を作り、貧血をはじめとした様々な体調不良を防止してくれるという嬉しい働きがあります。母乳育児の方はもちろんですが、混合育児、ミルク育児の方も、産後の体を回復させるために積極的に葉酸を摂取しましょう。また、母乳を通じて赤ちゃんが葉酸を摂取することにより、赤ちゃんの細胞分裂や細胞の増殖もサポートされ健やかな成育につながります。
授乳期の母親に必要な葉酸の量は340㎍と言われています。葉酸の含有量が多い食品としては、枝豆や納豆、モロヘイヤ、ブロッコリー、ほうれん草、イチゴなどが挙げられます。ただし、葉酸は水溶性で熱に弱いので、調理すると成分の50%が失われてしまうこともあるようです。妊娠中に飲んでいた葉酸サプリなども併用し、しっかりと葉酸を摂取することを心がけましょう。
授乳中に取りたい栄養素 カルシウムとカルシウムを多く含む食品解説
授乳期には母乳を産制するために大量のカルシウムが失われます。そのため産後気を付けないと歯や骨がもろくなってしまうこともあり得るのです。もともと日本人は普段からカルシウム不足だと言われているため、産後には特に意識的に摂取することが必要になります。授乳期にかかわらず、女性は1日あたり650㎎のカルシウムを摂ることが推奨されています。食習慣を見直すきっかけとなる妊娠中や授乳中にしっかりとカルシウムを摂る習慣を付けると良いでしょう。
カルシウムを多く含む食品としては牛乳や乳製品、じゃこやししゃもなどの小魚、小松菜やモロヘイヤ、ヒジキなどの海藻類などです。牛乳などは飲むだけでなく料理に取り入れると摂取しやすくなります。カルシウムの吸収を促進するビタミンDを含む食品(キノコ類など)を一緒に摂るとより効果的です。
授乳中に摂取をおすすめできないもの
母乳は母親の食べたものが反映されます。そのため摂取を控えた方がいいものもいくつかありますので解説いたします。
カフェイン
妊娠中気を付けなければいけなかったカフェインは、授乳中も引き続き摂取量に気を付けましょう。母親がカフェインを過剰摂取すると、母乳にカフェインが移行します。すると母乳を飲んだ赤ちゃんの寝つきが悪くなったり、落ち着きがなくなったりする可能性があります。乳児は代謝も未熟なため、カフェイン代謝には約80時間もかかるといわれており、その分影響も出やすくなってしまうのです。
1日のカフェイン摂取量の目安は妊娠中と同じく200~300㎎程度に抑えましょう。コーヒーでしたらカップ2杯程度が限度です。授乳中はコーヒーならデカフェのものを選んだり、カフェインの入っていない麦茶やルイボスティーなどを飲むのが安心です。
アルコール類
授乳中のアルコールも避けた方が良いものの一つです。飲酒によって母乳の分泌量が低下するとの研究結果も出ています。つまり飲酒によって母乳量が減り、赤ちゃんに十分な栄養が与えられなくなる可能性があるのです。また、アルコールももちろん母乳に移行します。血中アルコール濃度と母乳のアルコール濃度はほぼ同じと言われており、飲んだ赤ちゃんがぐったりしたり落ち着きがなくなったという事例もあります。過剰にアルコール摂取してから授乳すれば、赤ちゃんが急性アルコール中毒を引き起こしてしまうことも考えられるのです。もしもアルコールを飲んだ場合、母乳のアルコール濃度は30分から1時間でピークに達すると言われています。アルコールを飲んだ場合はできるだけ授乳までの時間をあけてください。少なくとも2時間以上あけるのが望ましいでしょう。量としては、50㎏の女性の場合、授乳中はビール1本をごくたまに飲む程度にとどめてください。
塩分が多いもの
授乳中は塩分の多い食べ物にも注意してください。授乳中は忙しいので、ついインスタントやファストフードなどに頼ってしまうこともあるかもしれません。しかし、塩分や油分が多く含まれている食品を摂ると、母体の血液がドロドロになり母乳の質が悪くなったり、美味しくなくなったりするため、赤ちゃんがあまり飲まなくなってしまうことも。さらに母乳がドロドロになると乳腺が詰まりやすく、乳腺炎になってしまうこともあるので注意が必要です。日本人の食事摂取基準によれば、1日の目安は7g未満とされています。インスタントラーメンには5~6gの食塩が含まれていますので、スープなどを半分残したりするなど工夫して摂ることが大切です。
おすすめレシピ1 鉄分と鉄分を多く含む食品
【レバーの甘辛煮】
材料(2人分)
豚レバー 250g
A(酒大さじ5 砂糖大さじ2 みりん大さじ2 しょうゆ大さじ2 ショウガ1かけ)
①レバーは半分に切り血を洗い、冷水に20分つけおき、その後洗い流す。
②沸騰したお湯に①を入れ、2分ほどゆでて臭みを消す。
③Aを別の鍋に入れ、煮立ったら②を入れ中火で8~10分煮る
豚のレバーは100g中13㎎と非常に鉄の含有量が高いので授乳期に積極的に摂りたい食材です。
引用URL: 授乳中の食事・食材20選【栄養士が執筆 / レシピも紹介】 | Zehitomo Journal
おすすめレシピ2 葉酸と葉酸を多く含む食品解説
【水菜とオクラの煮びたし】
材料
水菜 100g
オクラ 6本
油揚げ 1枚
かつお節 少々
A(だし3/4カップ 薄口しょうゆ 大さじ1 酒・みりん 各小さじ1)
①水菜は4センチ長さに、オクラは縦半分に切る。油揚げは湯通しして一口大に切る。
②鍋にAを入れて火にかけ、沸騰したら油揚げを入れてひと煮し、水菜とオクラを加える。2分ほど煮たらかつお節を加えてひと混ぜし、器に煮汁ごと盛り付ける。
短時間で簡単にできる煮物ですので忙しい方にもおすすめです。
引用URL:https://millymilly.jp/column/51817
<h2>おすすめレシピ3 カルシウムとカルシウムを多く含む食品</h2>
【簡単カルシウムふりかけ】
材料
しらす 50~60g
かつお節 お好みの量
すりごま お好みの量
ごま油 大さじ1
醤油 大さじ1
てんさい糖もしくは砂糖 大さじ1
①ごま油でしらすをきつね色になるまで乾煎りする。
②いったん火を止めて、その他の材料をすべて入れる。
③よく混ぜたら、もう一度火にかけて水分を飛ばす。
保存容器に入れて冷蔵庫で一週間程度保存が可能です。
引用URL:妊娠、授乳中に♡簡単カルシウムふりかけ by ハチ☆ママ 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが357万品
まとめ
妊娠中だけでなく授乳期も母親は食事に気を付けることが大切です。母親が食べたものはどんなものでも母乳に反映されると考えましょう。授乳期には特に、鉄分、葉酸、カルシウムの3つの栄養素をバランスよく摂取することにより、母親にとっても赤ちゃんにとっても体を健やかに保ったり成長させたりすることができます。反対に、カフェインやアルコール、塩分や油分の多い食事は妊娠中と同じく避けるほうが良いといえるでしょう。これらのものは母乳に移行するとそれを飲む赤ちゃんの体にもダメージを与えてしまうことがあります。出産後も栄養バランスに気を付けて、3食のリズムを崩さずしっかりと食事をとることを心がけてください。