
つわりが酷い時におすすめの食事と栄養素の解説
つわりがひどくてご飯が食べられないのは、多くの妊婦さんに共通する悩みでしょう。つわりの主な症状は、吐き気や胃のむかつきです。そのため、何を食べたらよいのか、どんなものなら食べられるのか、ストレスに感じることが多々あるかと思います。そこで、少しでもつわりの症状を和らげるために、効果のある栄養素や食べ物について、解説いたします。
つわりはどのような時に起きる
つわりは、妊娠5週目あたりから始まり、8週目から9週目ごろが辛いピークとなり、15週から16週ぐらいになると落ち着いてくるといわれています。一般に、つわりは、朝が特につらい方が多いようですが、朝以外でも、頭痛、心の不安定、眠気、吐き気、嘔吐、などさまざまな症状があります。
つわりの原因ははっきりとはわかっていませんが、妊娠によって活性化されるホルモン物質が、脳内にある嘔吐中枢を刺激し、吐き気や不快感が生じると考えられています。また、妊娠中はビタミン不足になりやすいため、ビタミン不足からくる代謝障害や血糖値の変化、また、出産への不安や、つわりの不快さが精神的なストレスとなり、つわりを悪化させるともいわれています。
つわりは空腹時に特に強くなる傾向がありますが、食べても吐いてしまったり、気持ちが悪くて食べられないという場合もあります。逆に、常に何か口にしていないと気分が悪くなる、食べづわりという症状もあります。また、匂いにも敏感になり、普段は感じないご飯の炊ける匂いや、出汁の匂いで気分が悪くなる方も多いようです。
つわりの時、食事はとったほうがよい?
妊娠初期には、お腹の赤ちゃんの、脳や神経などが形成される大切な時期なので、タンパク質、葉酸、鉄分、カルシウム、ビタミンDなどをとった方がよいといわれています。できるだけバランスを意識しながら、食事を取りたいと思うかもしれませんが、つわりのひどい時には、ストレスにならないように、食べられるときに、食べられるものを口にすることが大切です。
つわりが始まると、妊娠前のようには食べられないかもしれません。そういう時には水分の多い果物や、冷たくしたもの、酸味のあるものなどが食べやすいといわれています。自分で食べられそうなものを、いろいろ試してみるとよいでしょう。
つわりは、特に空腹時に症状が悪化します。できるだけ空腹にならないように、普段からさっとつまめるものを用意しておくとよいでしょう。つわりの間は栄養不足になりがちなので、できるだけお菓子類は避け、栄養を補えるものを選ぶことがお勧めです。
つわりが酷いときのおすすめの食事
つわりを軽減させる効果があるといわれている栄養素は、ビタミンB6と生姜に含まれるジンゲロールです。これらの栄養素を意識してとることで、つわりの軽減が期待できるかもしれません。
生の生姜に含まれるジンゲロールは、生姜特有の辛味成分で、吐き気を引き起こす神経伝達物質であるセロトニンの働きを抑えます。また、胃酸の分泌を促進し、消化吸収を助ける効果があるため、つわりによる胃の不快感を和らげる効果が期待できます。ただし、食べすぎると腹痛や胸焼けなどを起こす場合があるので、1日の摂取量は生の生姜なら10グラム、すりおろしは小さじ一杯程度が目安です。
ビタミンB6は、水溶性のビタミンで、タンパク質からエネルギーを作るために必要な栄養素です。多くの食品に含まれているので、不足することはまれですが、妊娠中は赤ちゃんの成長のためにタンパク質の摂取量が増えるので、普段よりも多めにビタミンB6が必要になります。また、タンパク質の代謝不良がつわりの悪化と関係があるといわれているので、不快なつわりの症状を軽減することが期待できる栄養素です。ビタミンBは、鶏肉、特にささみやむね肉、大豆製品に多く含まれています。手軽にとれるバナナも、ビタミンB6が豊富に含まれているので、おすすめです。
まとめ この記事のおさらい
妊娠中には栄養のある食事を取ることは大切ですが、つわりがひどい時期には、とにかく、無理をせず食べられるものを口にすることが大切です。その中で、つわりに効くといわれているビタミンB6 や生姜を取り入れて、辛い時期を乗り越えましょう。