
つわりがひどいときの食事のとり方について解説
妊娠がわかってから、赤ちゃんが産まれるまでの約10ヶ月間は、かわいい赤ちゃんに会えるのが楽しみな、幸せな期間でしょう。ところが、妊娠の喜びもつかの間、つわりの時期がやってきます。つわりは赤ちゃんが育っている証だとわかってはいても、食べ物の匂いはもちろん、見ただけでも気持ちが悪くなるという状態がいつまで続くのか、耐え難いものでしょう。お腹の赤ちゃんのためには、栄養をとらなければいけないという葛藤と戦いながら、つわりの時期を乗り越えるため食事のとり方などについて、ご紹介します。
つわりはどのような時に起きる
つわりが始まる時期は、人によって異なりますが、大体、妊娠5週目をすぎる頃から始まるようです。8週目から9週目ごろが辛いピークになり、15週から16週をすぎる頃までには落ち着いてくるといわれています。一般に、つわりは、空腹時、特に朝に多く見られることから、英語では「モーニングシックネス」といわれますが、朝以外でも、頭痛、心の不安定、眠気、吐き気、嘔吐、などさまざまな症状があげられます。
つわりの原因ははっきりとはわかっていませんが、ホルモンのバランスと関係があるといわれています。妊娠することによって活性化されたホルモン物質が、脳内の嘔吐中枢を刺激し、吐き気や不快感が生じると考えられています。また、妊娠中はビタミン不足になりやすいため、ビタミン不足からくる代謝障害や血糖値の変化、また、出産への不安や、つわりそのものの不快さが精神的なストレスとなり、つわりを悪化させるともいわれています。
つわりの代表的な症状は吐き気やむかつきです。空腹時に特に不快感が強くなる傾向がありますが、気持ちが悪くてムカムカするだけでなく、食べても吐いてしまったり、気持ちが悪くて食べられないという場合もあります。逆に、常に何か口にしていないと気分が悪くなる、食べづわりという症状もあります。また、匂いにも敏感になり、普段は感じないご飯の炊ける匂いや、出汁の匂いで気分が悪くなる方も多いようです。
つわりの時、食事はとったほうがよい?
つわりの時期にあたる妊娠初期には、お腹の赤ちゃんの、脳や神経などが形成される大切な時期だといわれています。そのため、タンパク質、葉酸、鉄分、カルシウム、ビタミンDなどを特に意識してとった方がよいといわれています。つわりでたくさん食べられない時には、食べる量よりも、バランスを意識しながら、食事を取るようにしましょう。ただ、無理をして食べることは、体にも精神的にも負担になるので、無理せず、とにかく食べられるときに、食べられるものをとるようにすることが大切です。
つわりが始まると、においに敏感になるため、妊娠前とは食べ物の好みが変わることがあります。つわりで食欲がない時には、水分の多い果物や、冷やしたもの、酸味のあるものや味、のはっきりしたもの、さっぱりしていて、口がスッキリするものなどが食べやすいといわれています。自分で食べられそうなものを、いろいろ試してみるとよいでしょう。
つわりは、お腹が空くと症状が悪化するとよくいわれています。できるだけ空腹にならないように、食事以外にも、おやつとして普段からさっとつまめるものを用意しておくとよいでしょう。つわりの間は栄養不足になりがちなので、おやつといってもお菓子ではなく、栄養を補えるものを選ぶことがお勧めです。
つわりが酷いときのおすすめの食事
つわりが始まると、つわりはひどいけれど、お腹の中の赤ちゃんのために何か食べなければいけない、と焦ってしまう方も多いでしょう。でも、本当につわりがひどいときには、無理をしない方がよいでしょう。
つわりがひどいときや、お腹が空くと気持ちが悪くなるという方のために、つわりがひどい時に食べやすい食べ物や、食べ物の取り方について紹介いたします。
つわりがひどいときに食べやすいものの一つに、酸味のあるものや冷たい食べ物が挙げられます。冷やしたトマト、いちごやスイカなどの果物は、口当たりも良く、ビタミンやミネラルを補給できるでしょう。また、冷やっこやそうめんなどは、のどごしも良く消化もよいため、食べやすいかもしれません。暖かい食べ物は匂いがあがってきて嗅覚を刺激するので、冷やして食べるのがおすすめです。例えば、普段は美味しく感じられる炊き立てご飯の匂いも、つわりの時には気分が悪くなる食べ物の一つです。ご飯を冷やすと、匂いが抑えられて食べやすくなると同時に、便秘の予防にもつながるため、おすすめです。
つわりの時には、水分補給にも気をつけた方がよいでしょう。炭酸水は比較的飲みやすいという方も多いようです。炭酸水にレモンを入れると、さっぱりとした味でビタミンの補給にもなるため、おすすめです。ジュースには糖分も多く含まれ、妊娠中毒症の原因となるため、取りすぎには注意し、できるだけ無糖の飲み物を取るようにしたほうがよいでしょう。
まとめ この記事のおさらい
つわりの間は、吐き気やむかつきなどから思ったように食事が取れません。つわりの症状は人によって様々ですが、食べ物のにおいに敏感になったり、気持ちが悪くなるというのが一般的です。そんな時は焦らずに、自分が食べたいと思うものや、食べられるものを少しずつ食べるようにしましょう。特に空腹時には気持ちが悪くなりやすいので、お腹が空かないようにこまめに食べるようにするとよいかもしれません。
匂いにも敏感になるため、料理をすることも辛くなることがあるかもしれません。気分がよいときに簡単に食べられるように、食べたいものを、ご家族に冷蔵庫に準備しておいてもらうことがおすすめです。デリバリーなどを利用するのも一つの方法ですが、栄養がかたよったり、塩分などの取りすぎになってしまうかもしれません。家事代行サービスなどを利用して、希望を伝えてお願いするのもよいでしょう。