
妊娠中はうなぎを控えたほうがいい?理由とその他控えたほうがいい食材の解説
妊娠中は、積極的に食べた方がよい食材と、食べるのは控えた方がよい食材があります。うなぎは食べるのを控えた方がよい食材の1つです。特に、妊娠初期は胎児に影響する恐れがあると考えられています。この記事では、妊娠中にうなぎを控えた方がいい理由や、その他控えた方がよい食材について解説します。
<h2>妊婦がうなぎを控えるべき理由(ビタミンA)</h2>
妊婦がうなぎを控えた方がいい理由は、うなぎにはビタミンAが多く含まれているからです。ビタミンAは、過剰に摂取すると胎児に影響することがあると言われています。実際に妊娠3ヶ月以内の妊婦や、妊娠を希望する女性には、上限値を超えるビタミンAの継続的な摂取をしないよう、厚生労働省から注意喚起されています。
厚生労働省が提唱するビタミンAの上限量は、1日あたり2700ugREです。
一方、うなぎのかば焼きには100gあたり1500ugREのビタミンAが含まれています。
週1回程度うな重を食べるくらいならば問題ありませんが、毎日過剰に摂取するのは控えた方がよいでしょう。
ビタミンAが胎児に与える影響
妊娠中のビタミンAの過剰摂取は、胎児の形態異常を引き起こす可能性があります。特に妊娠3ヶ月ごろまでの妊娠初期は注意が必要です。妊娠中は、胎盤を通して赤ちゃんへ栄養が届きます。
栄養素の中には赤ちゃんに届きやすい栄養素と届きにくい栄養素がありますが、ビタミンAは胎盤を通過しやすい栄養素です。しかもビタミンAは脂溶性ビタミンなので、過剰に摂取してしまうと身体にどんどん蓄積されてしまいます。過剰に蓄積されたビタミンAは大人でも頭痛や吐き気、肝障害などを引き起こすこともあるのです。
特に妊娠3ヶ月ごろまでは、胎盤を通ってきた栄養を使って赤ちゃんの神経や器官が形成されていきます。
そのため、妊娠初期にビタミンAを摂りすぎてしまうと成長段階の赤ちゃんの身体に蓄積されて神経管などに影響し、形態異常を生じる危険性があるのです。
実際にアメリカでは、妊娠初期にビタミンA剤を多用した結果、胎児の先天性の奇形が起こったという報告例もあります。ただし、1日上限を超えてしまったからといって症状が出るわけではありません。
そのため、摂りすぎた日があったとしても、数日~1週間くらいはビタミンAの摂取を控えて調整できればよいのです。また、ビタミンAには皮膚や粘膜の健康を守る働きや免疫力を高める働きがあります。
そのため、ビタミンAを過剰に恐れて全く摂らないのも問題です。実際に、18~29歳の女性には1日あたり650ugREのビタミンA摂取が推奨されています。
普通にバランスの良い食事をしていれば、毎日上限を超えるようなことはありませんので、ばっかり食べをせず、バランスの良い食事を心がけましょう。
ただし、サプリメントを摂取している方は、ビタミンAの過剰摂取になりやすいので注意が必要です。
ビタミンAのサプリメントの摂取を控え、なるべく必要な栄養素は食べものから自然に摂るようにしてください。
また、にんじんを始めとする緑黄色野菜や海藻類には、ビタミンAの前躯体であるβ-カロテンが含まれています。
しかし、このβ-カロテンはビタミンAが不足しているときのみビタミンAに変化する栄養素です。
そのため、β-カロテンは摂りすぎても胎児への影響は認められていません。
身体に必要なビタミンAが不足しないようβ-カロテンも活用して、バランスの摂れた食事を目指しましょう。
その他ビタミンAが豊富な食べ物
うなぎ以外にもビタミンAが豊富で、妊娠中注意した方がよい食べ物もあります。
全く食べてはいけないわけではありませんが、ビタミンAを摂りすぎないようにビタミンAを多く含む食品を知っておきましょう。
レバー
食材の中でビタミンAの含有量が最も多いのがレバーです。
貧血予防に効果的な鉄分も豊富に含まれていますが、ビタミンAも豊富に含まれている食品のため、摂りすぎには注意しましょう。
ビタミンAの含有量は、鶏レバーの場合14000ugRE、豚レバーの場合13000ugRE、牛レバーの場合1100ugREです(すべて100gあたり)。
レバーの中でも鶏レバーや豚レバーは、上限値を大きく超えるビタミンAが含まれていることが分かります。
レバーを食べるときには、1日あたり、鶏レバーや豚レバーは10g程度、牛レバーは約100gを目安に食べるようにしましょう。
あんこうの肝
あんこう鍋などに使われるあんこうは、身自体はカロリーも低くビタミンAもあまり含まれていませんが、肝には豊富なビタミンAが含まれています。
あん肝に含まれるビタミンAの量は100gあたりで8300ugREです。
レバー同様、1日の上限値を大きく上回ります。
あん肝を食べる場合は1日20gを上限の目安にして食べるようにしましょう。
また、あん肝は40%が脂質なので高カロリーです。
妊娠中に太りすぎると妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症を引き起こすこともあります。
たまに食べるならば問題ありませんが、何日も連続して食べるような食生活は控えましょう。
まとめ この記事のおさらい
うなぎを始め、レバーやあん肝に豊富に含まれるビタミンAは胎児に影響を及ぼし、赤ちゃんの形態異常を起こす可能性があります。
厚生労働省が提唱する上限値(2700ugRE/日)を大きく超えないように気を付けましょう。
ただし1日上限値を超えてしまったからといって大きな影響を及ぼすかと言えばそうではありません。
うなぎを食べるときは量や頻度を調整し、バランスを取りながら楽しむようにしましょう。