
妊婦中のカフェインが母体に与える影響とは NGなお茶も合わせて解説
コーヒーや紅茶、緑茶などを食後や仕事の合間、リラックスタイムに飲む習慣のある方は多いのではないでしょうか。しかし、妊娠中にはこれらの飲み物に含まれるカフェインの摂取に注意する必要があります。カフェインをたくさん摂取すると、妊娠中の母体にもお腹の中の胎児にも悪影響を与えることがわかってきているためです。しかし、妊娠前までは1日に何度も飲んでいたお茶やコーヒーを妊娠したとたんに全て制限されるとつらいと感じてしまう方もおられるかもしれません。今回はカフェインが妊娠中に与える影響や、一日の可能な摂取量などについて解説いたします。
妊娠中のカフェインが与える影響
カフェインはタバコ、アルコールに次いで妊婦が摂取を制限した方がいいとされている成分です。カフェインには血管を収縮させる作用があるため、妊娠中にカフェインを多く摂取してしまうとお腹が張り、流産や早産のリスクを高めます。1日にカフェインの摂取が150㎎未満の妊婦に比べて、1日300㎎カフェインを摂取する妊婦では流産のリスクが2倍になることや、コーヒーを1日8杯以上飲む妊婦は死産リスクがより高まるということが報告されています。また、カフェインと同時に喫煙をする習慣のある妊婦では、明らかに胎児の発育の遅れがみられ、早産傾向も認められるのです。カフェインを摂りすぎると母体から尿とともに排出されるカルシウムの量が増え、鉄分の吸収を妨げてしまいます。おなかの赤ちゃんのためと思って栄養を摂っても排出されてしまっては、せっかくの栄養素が無駄になってしまいます。カルシウムや鉄分は胎児の血液や骨を形成するための大切な栄養素ですので、不足すれば胎児の発育に影響が出たり、流産なども発生しやすくなってしまうのです。
また、血管が収縮することにより、血液を通して胎児に運ばれる酸素量が減ってしまうことで、低体重児や低酸素状態になる可能性もあり、母体にも胎児にも悪影響を及ぼすと言えるでしょう。
また、母体が摂取したカフェインは胎盤を通して胎児にも届いてしまいます。しかし胎児はまだ肝臓が未熟なためカフェインを体外に排出することができません。そのため長い間胎児の体内に高濃度のカフェインが残存してしまい、胎児に負担をかけてしまうことになります。カフェインの作用によって胎児の成長がうまく進まなくなると、脳に何らかの影響を及ぼす可能性もでてきます。そのため最近ではカフェインの摂りすぎが発達障害を引き起こす可能性なども指摘されるようになってきました。ただし、発達障害については遺伝なども関係してくると言われていますので、一概にカフェインの大量摂取だけが原因とも限りません。しかしカフェインには前述したとおり様々なリスクを誘発する要因があるため、やはり妊婦にとっては摂取量を制限するか、控えるのが望ましいでしょう。
妊娠中のカフェインの一日の摂取量は
WHO(世界保健機構)や世界各国では妊娠中のカフェイン摂取についての規定を定めています。1日あたりマグカップ2~3杯(カフェイン約200㎎~300㎎)までなら摂取しても問題ないというものです。カフェイン=コーヒーのイメージが強いですが、紅茶や玉露、コーラなどにも含まれていますので、これらの飲み物を摂取する場合にも注意が必要です。
それぞれの飲み物の100mlあたりの目安としては、インスタントコーヒーで約57㎎、紅茶では約30㎎、玉露では約160㎎、ほうじ茶・ウーロン茶で約20㎎、コーラ1缶(350ml)では40㎎程度になります。意外に玉露に含まれているカフェインの量が多くて驚かれた方もおられるのではないでしょうか。1日にこれら複数の飲み物を摂るときは、トータルのカフェイン摂取量が一日の規定量を超えることのないように気を付けましょう。
また、カフェインは飲みものだけでなく食べ物にも含まれています。代表的なものとしては
チョコレートが有名です。これは原料となるカカオマスにカフェインが含まれているためです。1枚50gを目安にしてみるとミルクチョコレートにはコーヒーカップ一杯分(150ml・カフェイン約90㎎)の1/6程度(約15㎎)のカフェインが含まれています。しかし、カカオの含有量が75%以上の入カカオチョコレートになると1枚あたり60㎎ものカフェインが含まれていますので、チョコレートを食べる際には種類にも注意が必要だと言えるでしょう。
カフェイン以外でもNGなお茶類について
また、妊婦の飲み物で気を付けなければならないのはカフェインだけではありません。妊娠するとカフェインを気にして飲みものをノンカフェインのハーブティーに切り替える方もおられるでしょう。しかし一部のハーブティーなどのお茶類には、妊婦が飲むのを控えた方が良いものもありますので注意が必要です。ここでは妊娠中の方が注意すべきハーブティーについて解説いたします。
・カモミールティー
リラックス効果や血行促進効果のあるカモミールティーですが、子宮を収縮させる作用がありますので、妊娠中は控えた方が良いでしょう。特に妊娠初期は注意が必要です。
・セントジョーンズワートティー
セントジョーンズワートは商業的に栽培されている地域もありますが、世界20か国以上で毒草に指定されています。精神を安定させる効果があると言われていますが、妊婦が飲むと子宮の筋肉が緊張し早産や流産を誘発する危険性もありますので控えましょう。
・ハトムギ茶
ハトムギは利尿作用や抗腫瘍作用など様々な効果があり、様々なお茶にブレンドされています。しかし子宮の収縮作用がありますので、妊娠中は控えた方が良いでしょう。市販のペットボトルのお茶などにも使用されていることがありますので、飲む前に成分を確認してから摂取することをおすすめします。
ほかにも、ローズマリーやレモングラスといった比較的手に入りやすいハーブも妊婦にはよくない効果があるとされています。飲む前にハーブの種類を確認し、わからない場合は医師や助産師など専門の方に聞いてからにすると安心です。
まとめ この記事のおさらい
妊娠すると日々の食事や飲み物などがそのまま胎児の発育に影響します。そのため、妊娠前より摂取するものに注意が必要です。特に注意すべきなのがカフェインです。カフェインをたくさん摂取すると、妊婦には流産や早産、胎児には発達の遅延などのリスクが伴います。カフェインを含む食材や飲み物は一日の摂取量を守って摂ることが大切です。コーヒーなら一日約2杯程度が良いでしょう。また、緑茶や紅茶などにもカフェインが含まれているため、これら複数の飲み物を飲むときは一種類ごとの量を調節するように気を付けてください。また、ノンカフェインのハーブティーは比較的安心して飲むことができますが、その中にも妊婦には向かないものはあります。カモミールティーなどは子宮の収縮を促してしまいますので控えるほうが良いでしょう。もしハーブティーで飲んで良いかわからないものがあるときは医師や助産師の指示を仰いでください。リラックスしたティータイムは妊娠中のストレスを軽減します。注意点を守り、楽しく安全にお茶の時間を楽しみましょう。